低用量ピルの避妊率は99%以上と非常に高いため、妊娠することはまれです。

しかし、飲み忘れがあったり、間違った方法で飲んだりすると、避妊効果がなくなって妊娠してしまうことも。

本記事では、ピル服用中に妊娠してしまう確率や原因、妊娠検査薬を使うタイミングなどを紹介します。

この記事のポイント

もしも生理がなく「妊娠した？」と不安になったら、妊娠検査薬を使いましょう。

ピル服用中でも中出しで妊娠する？よくある失敗例5選

低用量ピル服用中に妊娠する原因には、ピルの飲み忘れや嘔吐などが挙げられます。

▼妊娠する原因

ピル服用中でも、中出しされれば妊娠する可能性があります。

低用量ピルを正しく服用した場合、妊娠する確率はわずか0.3%です。

しかし、飲み忘れ・間違った方法での服用などがあると、避妊効果が低下してしまうことも。

もしも思い当たる節がある場合は、妊娠の可能性があるため、検査薬を利用しましょう。

▼妊娠検査薬を使うタイミング

ピルの飲み忘れで妊娠確率が上がった

ピルを飲み忘れると、妊娠の確率は上がります。

特に、飲み忘れが頻繁にあったり、丸2日（48時間）以上ピルを飲み忘れたりすると、避妊効果は激減します。

望まない妊娠を防ぐためにも、ピルを飲み忘れやすい方は対策を取りましょう。

▼飲み忘れの対策

ピル飲み始めの妊娠確率が高い時期に、性行為があった

ピルの飲み始めにコンドームなしでの性行為があると、妊娠する場合があります。

低用量ピルの避妊効果が出るまでには時間がかかり、飲み始めすぐのタイミングでは効果が期待できません。

避妊効果が出るタイミングは、ピルを飲み始めた日によって変わりますよ。

▼休薬期間の避妊効果

飲む順番や服用の時間がバラバラだった

3相性ピル※は飲む順番を間違えると、効果が得られず妊娠してしまうことがあります。

また、毎日の服用時間がバラバラだったり、12時間以上ずれたりすると、避妊効果が低下する場合も。

避妊効果を得るためには、正しい順番で毎日決まった時間にピルを飲むことが大切です。

下痢や嘔吐が続いた

下痢や嘔吐が続くと、ピルの成分が吸収される前に排出されてしまい、ピルの避妊効果が得られません。

服用したピルの成分がきちんと吸収されるまでには、2時間ほどかかります。

ピルを服用して2時間以内に吐いてしまった・ひどい下痢があった場合は、追加で1錠を服用しましょう。

▼嘔吐や下痢の際の対処法

なお、ひどい嘔吐や下痢が続いている場合は、症状が落ち着くまでピルの服用を中止します。

症状が落ち着いたら、医師に相談して、ピルの再開時期を決めましょう。

服用中止〜ピル再開7日目までは避妊効果が得られないため、コンドームを利用してくださいね。

個人輸入のピルを服用した

個人輸入のピル（海外から自分で輸入したピル）は、避妊効果のない偽物・使用期限切れの可能性があります。

偽物や使用期限が切れたピルを飲んでも、避妊効果は期待できません。

▼個人輸入のリスク

さらに、有害な成分が含まれる場合もあり、強い副作用が出たり健康被害を受けることも。

偽物のピルは正規品とよく似た見た目なので、成分を分析しなければ、偽物であることに気づけません。

望まない妊娠を避けるためにも、ピルは産婦人科やオンラインクリニックなど、100%正規品を取り扱う日本の医療機関で購入しましょう。

ピルの使用期限は、パッケージに記載されています。

ピル服用中は妊娠に気づかない？妊娠した場合に出る症状

ピルの避妊効果を100%だと思いこんでいると、服用中の妊娠に気づきにくくなります。

生理がこない・つわりのような症状があるなど、妊娠の兆候があったら、迷わず妊娠検査薬を使いましょう。

妊娠の可能性あり

休薬・偽薬期間の生理がない

休薬期間や偽薬期間（ピルのシート4週目）に生理がこない場合は、妊娠している可能性が高いです。

ピル服用中に生理がなくなる確率は1%未満。

健康な女性の99%以上は、ピルを服用しても、2〜5日の出血が見られます。

もしも、休薬・偽薬期間に出血がなければ、妊娠を疑いましょう。

妊娠の初期症状がある

妊娠すると体内の女性ホルモンが増え、女性ホルモンの作用でさまざまな症状が現れます。

▼妊娠の初期症状一覧

妊娠すると起こる「着床出血」を、生理と間違えてしまう方は少なくありません。

たとえ出血があっても、妊娠の初期症状が続く場合には、妊娠している可能性があります。

ピル服用中に妊娠したかもと思ったら「妊娠検査薬」を使おう

休薬期間になっても生理がこなければ、妊娠検査薬を使いましょう。

妊娠検査薬は、専用のスティックに尿をかけると、妊娠の有無を判断できる医薬品です。

薬局やドラッグストアで販売されており、誰でも購入できます。

妊娠検査薬の価格は、1回1,000円ほどです。

なお、直近1か月間に性行為がなかった場合、妊娠検査は不要。

休薬期間が終わったら、新しいシートに切り替えて、ピルの服用を続けましょう。

なお、定期検診や健康診断を受けていない場合は、検査を受けて子宮や卵巣に病気がないか、確認するのがおすすめです。

妊娠検査薬を使うタイミング

妊娠検査薬は、休薬・偽薬期間の7日目（シートの最終日）に行います。

検査のタイミングが早すぎると、正確な結果は得られません。

そのため、焦らず検査の時期を待ちましょう。

▼妊娠検査薬の使い方

陰性：ピル服用を継続

妊娠検査薬で「陰性（線が出ない）」の場合は、ピルの服用を続けましょう。

日本の妊娠検査薬の精度は非常に高く、正確性は99%以上です。

陰性ならば妊娠している確率は、ほとんどありませんよ。

陽性：ピルの服用を中止

妊娠検査薬で「陽性（はっきりとした線）」が出たら、ピルの服用を中止します。

そして、出産を希望する場合も中絶したい方も、まずは産婦人科や婦人科へ行って検査を受けましょう。

妊娠検査の初回の流れ

妊娠検査には保険が適用されないため、合計で5,000〜10,000円ほどかかります。

産婦人科の受診に抵抗がある場合は、「妊娠SOS相談窓口」で相談するのがおすすめです。

妊娠SOS相談窓口は、LINEやメールを使って匿名で相談できるサービスのこと。

「どの病院へ行けば良いかわからない」「中絶にはいくらかかるの？」など、どんな悩みでも親身に相談に乗ってもらえます。

妊娠初期にピルを飲んでしまった場合の胎児への影響は？

妊娠に気づかずピルを服用した場合でも、胎児に奇形や先天性異常症といった影響が出ることはありません。

デンマークで行われた88万人以上を対象とした調査でも、ピルの服用で先天性異常症のリスクは上がらないことが分かっています。

ただし、胎児の発育や早産などへのリスクは明らかにされていないため、悪影響がないとは言い切れないでしょう。

妊娠中のピル服用にはリスクが伴うため、妊娠がわかった時点で服用を中止してください。

参考：the bmj

ピルを飲んでて妊娠する確率はピルの種類で変わる！避妊確率をチェック

ピル服用中に妊娠する確率は、ピルの種類によって異なります。

妊娠の確率は、100人の女性が1年間に妊娠する割合を示す「パール指数」で示されますよ。

パール指数が低いほど、妊娠する可能性も低くなります。

▼ピルの種類とパール指数

※パール指数は各ピルのインタビューフォームより引用

どの低用量ピルもパール指数が低く、正しく服用すれば妊娠する可能性は0に近いと言えます。

なお、ヤーズやヤーズフレックスなどの超低用量ピルは、避妊目的で服用できません。

避妊を目的にピルを飲むなら、パール指数が低く、妊娠しにくい「低用量ピル」を選ぶのがおすすめです。

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